• 社会的ひきこもり、ニート本人の心理的特徴に関する報告が多くあります。

    特徴①:外界に気を使い、順応し過ぎるタイプが多いことです。結果として彼らは疲れやすくなります。学童期までは成績優秀で、運動能力も高く、基本的には良い子・従順・素直な子供なのです。

    しかし、それに合致しないこともあり、少年時代は学業不良で頻繁に暴力的な行為が認められるなど攻撃性が目立つケースもあります。

    つまり極端なんですね。従順過ぎてもどこかで無理が来て壊れるし、そもそもが粗暴で人から敬遠されていた・・というケースです。

    特徴②:対人関係では、他者の言うことを嫌々ながら聞く傾向があります。拒否的ながらも取り入れが認められるのです。他者からの干渉を嫌い、他者が自己の内的世界へ侵入するのを拒否する傾向があります。

    ですが、一方では他者の気持ちに敏感で、ちょっとした他者の言動で傷つきやすい面も持っているのです。また、対人関係スキルが十分でないケースもあります。

    特徴③:興味・趣味に埋没する傾向があります。具体的には、アニメやバーチャルゲームなどネットを介して遊ぶことが多いです。

    比較的豊かな心的世界を形成する場合もあるのですが、空虚な世界である場合もあります。いずれにしても、現実世界では具体的に何をなすべきか悩んでいるのです。

    特徴④:自己主張能力に乏しく、また自己の気持ちがつかめないのです。結果として受身的態度に終始します。それらは臨床場面で戸惑い、緊張感などとして現れます。

    ですがその一方、自分の興味分野では過度な自己主張のために他者に理解されないケースもあります。この場合は傲慢で不遜といった態度を示します。

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  • 「ひきこもる人々にとってどのような居場所が適切なのか」を考えることは、ひきこもり状態を治す治療あるいは対策を考える上できわめて重要な視点になります。

    人間は身体と心理を兼ね備えて、さらに社会という枠組みの中で生き続ける存在であるとするならば、適切な居場所は考察可能なはずなんです。

    ひきこもり本人が、現実にひきこもる場所とは自室を中心とした住居になります。身体にとって良い居場所とは充分な食事を与えられて、体にとって快適でリラックスすることができる空間です。

    閉居すれば、光・空気といった生存に欠かせないものはともかくも、その他のあらゆるものが否応なしに制限されます。また、運動など基礎的な活動が失われることにもなります。

    このことが、身体の健康にとって良いはずがないのは当たり前です。その意味では、自室のみといった物理的に狭い空間は身体にとって窮屈さ以外の何物でもないことは明らかです。

    人間にとって心的に適切な居場所とは、その人に安心感を与えることができる空間のことです。この安心感のある空間とは、その人が一人で居ても自分らしくできる場所であると同時に、他者と一緒に居ても自分らしくできる場所という二重の意味を持っています。

    独居するひきこもり状態の人では、他者と共存する時に安心感をもたらす空間が欠如しているわけです。対人的交流という刺激は、人に心的成長成熟を促す糧となるものです。

    この刺激の欠落の意味は大きいのです。これを解消するためには、悪い刺激を恐れる心よりも、良い刺激がもたらす利益を理解できる心性を育成することが、何よりも大切な要点になってきます。

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