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不登校者は語り合い不足から「心の成熟」が得られていない
不登校者やひきこもり者が家庭の他に居場所を見つけることの意義は、余分な成分を取り除いて純粋に心理的に見れば単に自己愛や自尊心を高めることで、理論的にはそれ自体はバーチャルな世界でも可能と言えなくもないのです。
それをわざわざ現実的な場の中で実現していこうとするのはなぜでしょうか・・
バーチャルという視点でいえば余剰に過ぎない「語り合い」をくぐり抜けて得ることのできる自己愛や自尊感情は、「語り合い」という複雑な媒介を極力取り除いてストレートに獲得したそれらとは異なっているはずです。
つまり、「語り合い」を媒介して獲得した自己愛や自尊感情は、そうでない自己愛や自尊感情に比べて、豊かさや拡がりという「心の成熟」という点で違いが認められます。
そしてこの「心の成熟」こそが、「語り合い」という面倒で複雑なな媒介を必要とする理由なのです。
ではこの「心の成熟」とは何でしょうか・・
「心の成熟」の形は時代や状況によって異なっていても、「心の成熟」の実感は時代や状況を超えて私達の心に確実に存在しているはずです。
不登校者やひきこもり・ニートの居場所とは、彼らの心が成熟に向かっていくプロセスをともに歩む場でもあるのです。
そんな居場所づくりの実践の中から、現代の「心の成熟」の内実に関する新たな言葉と物語が生まれていくことは、決して不可能ではないのです。
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