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ひきこもる人にとってどのような居場所が適切なのか
「ひきこもる人々にとってどのような居場所が適切なのか」を考えることは、ひきこもり状態を治す治療あるいは対策を考える上できわめて重要な視点になります。
人間は身体と心理を兼ね備えて、さらに社会という枠組みの中で生き続ける存在であるとするならば、適切な居場所は考察可能なはずなんです。
ひきこもり本人が、現実にひきこもる場所とは自室を中心とした住居になります。身体にとって良い居場所とは充分な食事を与えられて、体にとって快適でリラックスすることができる空間です。
閉居すれば、光・空気といった生存に欠かせないものはともかくも、その他のあらゆるものが否応なしに制限されます。また、運動など基礎的な活動が失われることにもなります。
このことが、身体の健康にとって良いはずがないのは当たり前です。その意味では、自室のみといった物理的に狭い空間は身体にとって窮屈さ以外の何物でもないことは明らかです。
人間にとって心的に適切な居場所とは、その人に安心感を与えることができる空間のことです。この安心感のある空間とは、その人が一人で居ても自分らしくできる場所であると同時に、他者と一緒に居ても自分らしくできる場所という二重の意味を持っています。
独居するひきこもり状態の人では、他者と共存する時に安心感をもたらす空間が欠如しているわけです。対人的交流という刺激は、人に心的成長成熟を促す糧となるものです。
この刺激の欠落の意味は大きいのです。これを解消するためには、悪い刺激を恐れる心よりも、良い刺激がもたらす利益を理解できる心性を育成することが、何よりも大切な要点になってきます。
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